みんなのいのち

1.

小さいなみだが すっと

ほほを しずかにながれた

みんなを なきものにするという

つめたい言葉をきいて

われわれが 生きてゆける場所は

もう どこにもなくなりそうだ

もうじき夜明けがくると

おもっていたけれど

どこにもその気配さえ みられなくなった

 

人間としての みんなの尊厳(そんげん)を

ごんごんと わきいづる清水のように

うったえていかなくてはならない

未来に向かって

2.

どんないのちも 平等だ

そんな言葉がなつかしい

震災のときのやさしさを

もう みんな忘れてしまったの

小さいときからぼくは

差別にくちをふさいできたけれど

もうだまってはいられない

ぼくたちの声をとどけたい

 

おんなじ空気をすって おんなじ水をのみ

おなじ血がながれている おんなじ人間だ

人間ということばがこれ以上

こわされないように